アトピーのメカニズム

HAは、魚介類の脂質に多く含まれる、不飽和脂肪酸であることは前のコラムでご説明しました。DHAは血液中の中性脂肪やコレステロール濃度を低くして、血液をサラサラにするほか、脳の神経細胞のシナプスに含まれ、情報伝達をスムーズにすることがわかっています。

そして、最近アトピー性皮膚炎などのアレルギーを抑制する効果があるとわかり、関心を集めています。 アトピー性皮膚炎は、年々増加傾向にある皮膚疾患です。赤い湿疹が出て、強いかゆみを持ち、症状は悪化したり良くなったりを繰り返します。でも、なぜ DHA がアトピーによいのでしょうか。

ここでアトピーの話をします。そもそもアトピーとは、「通常、健康な人に見られない異常な過敏反応」を指す言葉で、アレルギー症状をおこしやすい遺伝的素因のひとつとされています。 これは医学的に言うと、体内に侵入したアレルゲン(アレルギーの原因となる食べものやダニ、ハウスダスト、花粉など)に対して過敏に反応し、これを排除しようと免疫グロブリンE(IgE)抗体を作り出す体質のことをさしています。そして、抗体が作られた体にアレルゲンが侵入すると、免疫細胞からアレルギーや炎症を引きおこす化学物質(メディエーター)が生産され、アレルギー・炎症が起こるとされています。 そして、この反応が皮膚におこるとアトピー性湿疹が出るのですが、魚から摂取される EPA やDHAにはその化学物質がつくられるのを抑制する働きがあることが最近わかってきました。

DHAを含んだ食品を摂るのが良い

DHA や EPA が多く含まれるのは、マグロ(脂身)、サバ、ブリ、サンマ、イワシなどの青魚です。1日にとるべき量は明確には決まっていませんが、色々な情報や報告を見ると健康を維持するには DHA と EPA として1日 1000mg 程度摂取するのが理想的なようです。お刺身であればマグロトロで4~5切れ、ブリで6~7切れ、焼いたサンマなら約半尾がその目安です。(時期により含有量が異なることがあります。なるべく旬で摂ることをオススメします。)旬の魚は脂が乗っている!ということはそのことからもDHAが豊富に含まれていることを意味します。

だから、効率よくDHAを摂取するには、旬の時期にとれた新鮮なものを生で食べるのが一番良いのですが、毎日お刺身というわけにはいきません。例えば、加熱調理する場合は、流れ出た脂(DHAが含まれる)を逃さないよう、ホイル焼きにしたり、汁物にするなどして、脂を逃さず丸ごといただくことをオススメします。それでいうとサバの水煮などの缶詰なども良いかもしれません。そして缶汁の中にはDHAがたくさん含まれているので、捨てずに上手に利用するとなお、DHAをきちんと摂ることができます。難しいようならサプリメントを摂るのが一番良い方法ですね。